こんにちは.さいど(@bottidaigaku)です.
今週は直近で読んだ「プレゼンテーションzen」を紹介します.
卒論のシーズンに入り,なんとか卒業を目指して日々遅筆を動かしているのですが,卒論にはプレゼンがつきもの.
自分の研究成果を披露する必要があるわけで.
もともとプレゼンが下手という自覚もあり,時折現れる発表会が近づくとストレスで胃が痛み,食欲がなくなってしまうのが常.
毎回ここまで消耗する理由を考えてみたら,
- プレゼンのメソッドに無知
- 自分の理解の不足
- 取り掛かりがおそすぎてぎりぎりになる
この辺が理由な気がしています.
後の2つはそもそも研究にかける時間の量や質,自堕落な生活によるものだと思うので(これがいちばん大事な気がしますが…)
とりあえずプレゼンについての心構えや,作る指針みたいなのを一個持っておくのも悪くない気がしたので,卒論発表直前ではありますが読んでみることにしました.
プレゼンテーションzen
読んだのはプレゼンテーションzenという和洋折衷なタイトルの本.
ぼくは中古で前の版を買いましたが,改訂版が出ているようなので多分新しい方を買った方がいいんじゃないかなと思います.
イントロダクション
本書ではプレゼンを三つのパートに分け,
準備は「抑制」
デザインは「シンプル」
実施は「自然さ」
を大きなテーマにして話が進んでいきます.
準備
紙とペンの威力
プレゼンのスライドを作る時,いきなりパワポを開いていてはダメ.
紙とペンでアイデアを出します.この時あまり取捨選択をせず,思いつくままに伝えたいことを書き出します.いわゆるブレストってやつでしょう.
こうして書いた伝えたいことの中で,最も伝えたいことを一つ見つけます.
その時「なぜこれを伝えたいか」という理由が必要です.
こうやってプレゼンの核となる部分を予め決めておくだけで,一貫性を持ったスライドを作ることができます.
これを実践して個人的に感じたのは,なんだかんだアイデアを書きなぐったり思考したりするのは紙がベストだということ.
もっとちっちゃい頃からデジタルデバイスによる入力に親しんでいる世代はまた違う感覚なのだとおもいますが…
アナログとデジタルの棲み分けはこれからもしばらく試行錯誤していく必要がありそうです.
徹底的な編集作業
決めたメインテーマをもとに,論理を展開していくわけですが,大事になのは聴衆にどれだけ寄り添えるかだと書かれています.
本書の冒頭で,筆者が箇条書きの文字ばかりのスライドを繰り返しdisっているのですが,
自分のスライドを見返しても箇条書きの見ただけで聴く気が失せるものが大半.(箇条書きを半ば強制するパワポのテンプレートにも責任がある気がしますが)
確かに,こんなプレゼン自分だったら聴きたくないなと率直に感じました.
聴く人の立場になって,できるだけ短く簡潔なものを目指すのが本来あるべき姿でしょう.
この文はよりわかり易くならないか,別の表現方法は取れないか(画像や図)
作ったスライドに対して問いかけながら徹底的に無駄を省いていく作業は実際にやってみてかなり威力があったので,おすすめです.
ストーリーを作り上げる
本書では,プレゼンにストーリーをもたせることの重要性を説いています.
人は感情を動かされたものをよく記憶します.
プレゼンにストーリー性があり,聴衆の感情に訴えるものは内容を覚えてもらえるということになります.
プレゼンのストーリーは,
- 中心的なメッセージ
- 補完する論理的な枠組み
で作られます.核となる部分を中心に,プレゼン全体が首尾一貫しているようなストーリーにすることで,より良いプレゼンができるとのこと.
また,心に残るメッセージの特徴として,
- 単純明快 simplicity
- 意外性 unexpectedness
- 具体性 concreteness
- 信頼性 credibility
- 感情に訴えること emotions
- 物語性 stories
のSUCCES(s)が紹介されています.意識しながら論理の流れを決めていくのがいいかも.
デザイン
この章では実際にスライドに起こす時のデザインについてのアドバイスが書かれています.いくつか紹介すると,
- できるだけノイズをへらすこと(シグナル/ノイズ比)
スライドを見直した時,全体の情報量(シグナル)に対して,不要なもの,本質でないもの(ノイズ)の割合を減らすことで見やすくなる. - 画像優位性効果
テキストはできるだけビジュアル(画像)に置き換えることで,パット見た時にわかりやすくなる. - バランス
伝えたいことに明確な序列をつける(文字の大小,色)
他にも色々ありますが,どれも高度なデザイン知識はいらないし,意識するだけで実践できるものばかりなのでかなり即効性のある内容で良かったです.
実施
最後は実際のプレゼンへの望み方が書かれているわけですが,これはまあ精神論に近いので,読みたい人は買ってみてください.
一ついい感じの言葉があったので載せておくと,
「成功や失敗は必ずしも重要なわけではない,大切なのは貢献すること」
あんまり物事が上手く行かなくてもそこまで悲観せずに,次次々とどんどん進んでいくのは大事なマインドセットだよなと思う今日このごろです.
今日の独り言
卒論も発表もあまり時間はありませんが,できるだけベストを尽くして行こうと思います.のうのうとブログを書きながら(卒論書け)
ではでは~